メディナからジェッダに行く方法は飛行機や電車、長距離高速バスがあります。
その中で今回私は、ハラマイン高速鉄道という電車を使ってメディナからジェッダまで行ったので、その時のことをご紹介していきたいと思います。
メモ
値段については私が訪問した時のレートである、「1リヤル=40円」で換算しています。
なお私は今回2022年11月上旬にメディナとジェッダに滞在していました。
ハラマイン高速鉄道(HHR)の概要
今回乗ったのはハマライン高速鉄道(Haramain High Speed Railway)という、2018年に営業開始されたサウジアラビアでも新しい路線であり、最大の特徴はイスラム教最大の聖地であるメッカとメディナを結んでいることです。
その中でジェッダはメッカとメディナの途中停車駅となっており、国内外から訪れる巡礼者や観光客にとって非常に利便性の高い路線となっています。
▼公式サイト
ハラマイン高速鉄道の停車駅
ハラマイン鉄道には順に下記5つの駅があります。
- メディナ
- キング・アブドゥッラー・エコノミックシティ(KAEC)
- ジェッダ(空港)
- ジェッダ(Al-Sulaymaniyah)
- メッカ
メディナとメッカが始発or終点駅となっており、他の途中駅については停車する便と通過する便があるので、公式サイトでチケット購入の際にしっかり確認しておきましょう。
料金
料金は一律ではなく電車の発着時間帯ごとに値段が設定されており、座席についてはビジネスクラスとエコノミークラスの2種類があります。
例えば2023年2月6日のメディナ発〜ジェッダ(Al-Sulaymaniyah)行きで調べると、以下のように同じエコノミークラスでも時間帯によって143.75リヤルと189.75リヤルの2パターンあることが分かります。
チケットの購入について
チケットは事前に公式サイトからオンライン購入しておくことを強くおすすめします。
というのもハラマイン高速鉄道はイスラム教最大の聖地であるメッカとメディナを結ぶ路線であり、世界中から巡礼者が集まるため、利用者が非常に多いからです。
本格的な巡礼シーズンになると事前購入なしで乗ることはほぼできないと思います。
私が行った11月は季節的にはオフシーズンでしたが、それでも当日はほぼ満席であり、車内にはメッカへ巡礼に行く人たちが大勢乗り合わせていました。
オンラインチケット購入の手順
まずはハラマイン高速鉄道の公式サイトから、チケット検索をかけます。
次に検索結果が表示されるので自分が乗りたい時間帯を確認し、ビジネスクラスorエコノミークラスを選びましょう。
なお右端に書かれている「1 Stop」は「目的地までの間に1駅停車します」という意味で、「Non-Stop」は「目的地まで途中停車駅はありません」ということになります。
ハラマイン高速鉄道は5駅しかないですが、一応「快速か各駅停車か」みたいな感じです。
自分が乗りたい時間帯の電車を選んだら、次に座席を選択します。
飛行機の予約と同じ要領で、Selected(デフォルトで選択されている座席)かAvailable(利用可能)の中から好きな場所を選びましょう。
ちなみに車内真ん中のオレンジ色の場所はテーブル席になっていて、上の画像でいうと130番~137番の席はテーブルを挟んで向かい合わせになる配置です。
なので基本的には家族やグループでの利用者向けなので、一人や二人で乗るときにここを選ぶと、知らない人とずっと対面することになり気まずいこと必至なので、注意?しましょう。
座席選択が終わったら、次に乗客情報の入力です。
そのまま項目に沿って入力していけばいいので、ここは特に問題はないと思います。
一応「Middle name」という項目がありますが必須入力欄ではないので、苗字と名前だけで大丈夫です。
最後に支払い操作を実行して決済まで終わったら、無事に完了です。
QRコードが記載されたオンラインチケットがPDF形式で発行されるので、忘れずにダウンロードしておきましょう。
ハラマイン高速鉄道(HHR)で移動してみた
ここからは実際にハラマイン高速鉄道を使って、メディナからジェッダまで行ったときのことをご紹介していきたいと思います。
メディナ駅
ハラマイン高速鉄道のメディナ駅は市内中心部から離れたところにあり、Uberかタクシーで行くことになります。
▼MAP
市内中心部にある宿泊先のホテルからメディナ駅までは、Uberで25リヤル(約890円)、所要時間が15 分ほどでした。
移動したのは午前10時くらいでしたが、特に渋滞にも巻き込まれなかったので、混雑する午後に移動する場合は少し余裕を持って行動したほうがいいかもしれません。
ハラマイン高速鉄道(HHR)のメディナ駅正面入り口
私が今回乗るには12:30発の電車ですが、少し余裕を持って1時間半前に到着しました。
駅舎はかなり立派な建物で、現代的な造りとなっているのが印象的です。
メディナ駅の目の前にはタクシー乗り場があり、多くのタクシーがスタンバイしていました。
駅の左側には礼拝用のモスク。
駅構内は非常に綺麗で、開放的な空間が広がっています。
一方で駅の広さの割に人はそこまで多くない印象でした。
駅に入って1階の右側には、私の大好きなスターバックスがありました。
商品のラインナップが違うだけで、世界中にあるスタバとほぼ変わらないおなじみの店内。
朝食をきちんと食べていなかったので、ここでハムクロワッサン&ホットラテ(35リヤル)をオーダー。
乗車が始まるまでスタバで時間を潰していました。
12時になりホームへの入場口が解放され、乗車が始まりました。
ホーム入場口に入ってすぐエスカレーターで下るとホームが見えてきます。
男性乗客の中には白い布を身にまとっている人たちを多く見かけました。
これはイフラームという男性用の巡礼着で、白い一枚の大きな布を着付けしており、メッカのカアバ神殿に巡礼に行く人たちであることが分かります。
もちろん乗客はメッカに巡礼に行く人だけではないので、私のような観光客やジェッダに行く人たちも乗り合わせます。
すごくどうでもいいことですが「ハラマイン高速鉄道」という名前を、油断するとどうしても「ハマライン」と言ってしまいます。
電車内はとても綺麗で、リヤドからハイルに行くときに乗ったSAR(Saudi Arabia Railway)のノースラインと変わらず快適でした。
各座席には充電用のUSBポートが備え付けられているのも、嬉しいポイントです。
【サウジアラビア旅行記】リヤドからハイルまでの行き方(電車利用)
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電車は定刻である12:30ぴったりに出発しました。
ジェッダ空港駅(King Abdulaziz Airport Haramain Railway Station)
私が乗った電車はKAEC(キング=アブドゥッラー エコノミック シティ)駅を通過し、ジェッダ(Al-Sulaymaniyah)駅までノンストップでした。
ただしここで一つ注意点があります。
ジェッダにはハラマイン高速鉄道の駅が2つあり、まず一つ目がジェッダ国際空港(キングアブドゥルアジィーズ国際空港)駅です。
私の乗った電車はジェッダ国際空港駅には停まらず、ジェッダ(Al-Sulaymaniyah)駅までノンストップだったので間違えて降りる心配はありませんでしたが、電車によって通過するものと途中停車するものがあります。
要は「快速か各駅停車か」みたいなものなので、チケット購入する際にきちんと停車駅を確認しましょう。
▼MAP
ジェッダ駅(Jeddah Al-Sulaymaniyah Station)
ジェッダにあるもう一つの駅がこちらのアル=スレイマニヤ駅で、宿泊先ホテルへのアクセスの良さから私はここで降りました。
▼MAP
駅の造りはメディナ駅とほぼ同じです。
ハラマイン高速鉄道は電車出発の30分前に搭乗ゲートが開くシステムなので、基本的にホームに人はいません。
色々写真を撮ったり散策をしていたため、私が最後尾でしたが人が全然いません。
メディナ駅よりもはるかに人がいません。
下手するとパッと見た感じ利用客よりもスタッフの方が多いくらいでした。
券売機もありましたが、使っている人は全くおらず。
おそらく当日になって急遽乗ることになった人などに需要があるのだと思います。
ジェッダ駅のエントランスは、メディナ駅同様開放感のある造りでした。
ここからは宿泊予約しているホテルまでUberで向かうので、外に出る前に配車します。
ジェッダはサウジアラビア第二の都市なので、Uberドライバーはすぐに見つけることができました。
駅のエントランスから外に出るとこのような通路が伸びており、タクシー乗り場まで降りることができます。
下に降りたところがタクシー乗り場です。
メディナ駅と違ってスタンバイしているタクシーは1台しかなく、とても閑散としていました。
やはりジェッダでも観光客の主な足になるのはUberです。
手配したUberは5分ほどですぐ来てくれたので、そのままこの日は宿泊先のホテルに向かいました。
乗車の際の注意事項
ハラマイン高速鉄道に乗車する際にいくつか注意点があります。
1 . 非ムスリムはメッカまで乗れない
メッカ行きの電車である場合、ジェッダ駅の次はメッカ駅に停まりますが、非ムスリムはそのままメッカ駅まで乗車することができないので、必ずジェッダ駅で降りてください。
そもそもチケット購入の際、非ムスリムはメッカ駅まで買ったとしても行けないため、どちらにせよジェッダ駅で降りることになります。
2 . 出発時刻の30分前には必ず駅にいること
先述したようにハラマイン高速鉄道は、電車の出発時刻30分前にホームへの搭乗ゲートが解放されるシステムとなっています。
そして特に気をつけなければいけないのは、出発時刻の10分前になると搭乗ゲートは閉まることです。
つまり出発直前に駆け込み乗車などができないので、必ず時間に余裕を持って行動するようにしましょう。
そのほかにも特に注意すべき点について、公式サイトから以下抜粋しました。
・Baggage check-in desks will open 2 hours before departure.
(手荷物預かり所は出発時刻の2時間前にオープンします。)
・Boarding gates will close 10 minutes before the stated departure time.
(搭乗口は出発時刻の10分前に閉まります。)
・The ticket office will close 20 minutes before departure for sales and enquiries relating to the departing service.
(発車時刻の20分前になると、発車時刻に関連する販売・問い合わせ窓口が閉鎖されます。)
・Food and beverages are not permitted to be brought on-board.
(飲食物の機内への持ち込みは禁止されています。)
注意事項の詳細については、公式サイトのTerms & Coditionsを確認してください。
ちなみに飲食物の車内への持ち込みについてですが、実際にはスタバやダンキンドーナツのドリンク片手に乗車する人もけっこういたので、どこまで厳密に禁止されているのか微妙なところでした。
まとめ
- 【駅の数】5つ
- 【料金】区間ごとに一律ではなく、電車の利用時間帯や予約タイミングによって異なる
- 【チケットの購入方法】公式サイトでオンライン事前購入or駅窓口(券売機)
- 【手荷物持ち込みについて】重量制限あり(公式サイト要確認)
- 【Wi-Fiの有無】駅構内・車内ともに無し
- 【充電用コンセントの有無】車内の各座席にUSBポートあり