今回はサウジアラビアを旅行する際におさえておきたい情報についてまとめました。
サウジに関しては旅行体験記のようなものもまだ少ないので、少しでもお役に立てれば幸いです。
メモ
- 訪問時期:2022年11月上旬
- 1リヤル=約40円
観光ビザについて
サウジアラビア観光に行く際は観光ビザが必要です。(2024年2月現在)
観光ビザの取得方法
- 公式サイトで事前にオンライン申請・取得する
- 空港到着後にアライバルビザを取得する
観光ビザの取り方は上記の2通りがありますが、おすすめは事前にオンライン申請・取得をしておくことです。
その主な理由としては、次の2つです。
- 日本出国チェックインの際に、ビザの確認があったため。
- キング=ハーリド国際空港に着いた際、アライバルビザの発給カウンターらしきものはあったが設備は簡素でスタッフがおらず、きちんと機能しているのか不安だったため。
ビザの取得に関する詳細は別の記事でご紹介しているので、そちらも参考にしてください。
サウジアラビアの観光ビザ取得方法と申請手順解説【2024年2月】
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【サウジアラビア旅行記】入国前と到着後にすること【2024年2月】
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治安について
どこの都市も総じて治安は非常に良いと感じました。
これまで他にも様々な中東の国に行きましたが、治安の良さはその中でもトップクラスだと思います。
マスマク城沿いの通り
夜間の外出に関しても危険な雰囲気を感じた瞬間は一度もありませんでした。
サウジに限らず他の中東の国にもいえることですが、日中は暑いため外を出歩く人もまばらです。
しかし逆に涼しくなる夕方以降は外出する人の姿が増え、街中には親子連れやカップル、学生などでにぎわい活気が出てきます。
そのため夜でも怖いと思うことはありませんでした。
もちろんいくら治安が良いとはいえ油断は禁物。
貴重品をポケットに入れない、夜は人通りの少ない道を歩かない、など海外で最低限注意すべきことには気を配りましょう。
物価や両替事情について
大体1リヤル=30~40円くらいです。
私が行ったときはまだ円安の影響が出ていて、1リヤル=40円となっていました。
サウジの物価は基本的に高い
私が行ったときは円安だった影響もありますが、総じて物価は高く、日本とあまり変わらないと感じました。
特に宿泊費は高くつきました。
今回のサウジアラビア渡航でかかった費用について記録してまとめた記事も作ってみたので、参考にしてみてください。
【サウジアラビア旅行記】11日間の滞在でかかった総費用【節約旅行は可能なのか】
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ネット環境について
サウジアラビアのネット環境は悪くありません。
ホテルや大きなショッピングモールなどでは高速Wi-Fiが通っているところも多かったです。
一方街中でフリーWi-Fiが使える場所は限られており、外国人観光客にとっては少し不便な部分もあります。
またスタバやマクドナルドなどのチェーン店でも、日本のようにフリーWi-Fiが使える店舗は、私が行った限りではありませんでした。
そのためサウジアラビアを旅行する際は、SIMカードを購入することを強くおすすめします。
というのもサウジでは市内の移動手段としてUberを使う機会が多く、出先でネットが使えないと詰むからです。
キング=ハーリド国際空港(リヤド)のstcカウンター
サウジの大手通信キャリアはZainとstcの2つあり、店舗は空港やショッピングモール、市街地など色々なところにあります。
【サウジアラビア旅行記】空港でSIMカードを購入した話
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移動手段・公共交通機関について
サウジ国内での移動手段はある程度選択肢が限られているので、一つずつお話ししていきます。
空港から市内までの移動手段
結論から言うとUberかタクシーです。
アルウラやハイルなどの地方都市はもちろん、リヤドやジェッダでさえも空港から市内中心部までアクセスできる公共交通機関がありません(2024年2月現在)。
一応リヤドではメトロ建設が進んでおり、完成すればキング=ハーリド国際空港からリヤド市内まで電車で行けるようになります。
しかしこのリヤドメトロが本来は2021年ごろには開通する予定だったのが、延期による延期でいまだに開通していません(2024年2月現在)。
Riyadh Metro 1C3 Station
写真のように、市内にあるメトロ駅も未完成の状態でした。
Googleマップ上ではすでにメトロ駅が表示されていますが、まだ開通していないので要注意です。
キング=ハーリド国際空港から市内中心部までのおおよその料金例
- タクシー:150~200リヤル(※要交渉)
- Uber:90~130リヤル
都市間の移動手段
都市間の移動手段は全土にわたって充実しています。
- 飛行機:Saudia, Flynas
- 電車:SAR, ハラマイン高速鉄道
- 長距離高速バス:SAPTCO
1. 飛行機
サウジアラビアを拠点に就航している航空会社は以下の2つです。
- Saudia:半官半民のフラッグキャリア
- Flynas:LCC(格安航空会社)
国内路線は1日あたりの便数がそこまで多くないので、直前だと座席が空いていない可能性もあるため要注意です。
キング=ハーリド国際空港(リヤド)
キング=アブドゥルアジィーズ国際空港(ジェッダ)
Flynasの機内
キング=ハーリド国際空港(リヤド)
2. 電車
観光客がよく使うであろう路線は主に3つあります(2024年2月現在)
- North-South Line(SAR)
- Riyadh–Qurayyat Line(SAR)
- ハラマイン高速鉄道(HHR)
まずはSAR(Saudi Arabia Railways)のNorth-South LineとRiyadh–Qurayyat Lineです。
SARはリヤドを中心にハイルやダンマンなど、多くの旅行者が立ち寄る都市を結んでいます。
SARのリヤド駅
SARのハイル駅
駅舎やホームは総じて綺麗であり、車内も綺麗で座席間隔も十分にあるため快適に移動できます。
そしてもう一つの電車がハラマイン高速鉄道(HHR)です。
HHRはメッカとメディナという二つの聖地を結ぶ路線で、ジェッダにも途中停車するため非常に利便性が高いです。
ハラマイン高速鉄道のメディナ駅
ちなみにHHRはメッカとメディナを結ぶ路線というだけあり、利用客の多くは国内外から来る巡礼者であり、遅くても1週間前くらいには予約しておかないと、座席が埋まってしまう可能性もあるほどです。
特にハッジ期間中は世界中から巡礼者が殺到するため、直前期での予約は相当難しいと思うので注意しましょう。
ハラマイン高速鉄道のジェッダ駅
【サウジアラビア旅行記】リヤドからハイルまでの行き方(電車利用)
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【サウジアラビア旅行記】メディナからジェッダへ電車で行く方法
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3. 長距離高速バス
SAPTCOというバス会社が、サウジアラビア全土を結ぶ長距離高速バスを展開しています。
中にはリヤドからアルウラまで24時間かけて移動する走行ルートもあるなど、かなりの長距離移動もあります。
SAPTCOの長距離高速バス
ハイルのSAPTCOバスステーション
アルウラのSAPTCOバスステーション
メディナのSAPTCOバスステーション
【サウジアラビア旅行記】ハイルからアルウラへの行き方とアルウラの歩き方
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市内の移動手段
サウジアラビアの都市はどこへ行っても、Uberやタクシーでの移動が基本になります。
公共交通機関はまだまだ発展途上という段階で、サウジアラビアは完全な車社会です。
ディーラ広場前に停車中の路線バス(リヤド)
一応リヤドやジェッダ、メディナなどの大きな都市にはSAPTCOが運営している路線バスも走っているのですが、土地勘のない外国人観光客が使うには難易度が高いため、あまりおすすめはしません。
【サウジアラビア旅行記】配車アプリ「Kaiian」の初期設定・使い方の解説
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食事について
サウジの料理は中東ならではのクセも少なく、日本人の口に合うような味付けの料理も多いです。
またリヤドやジェッダなどの大都市だけでなく、アルウラやハイルなどの地方都市にも外資系チェーン店が数多く展開されているので、万が一サウジの料理が口に合わなかったとしても、食事で困ることはあまりないと思います。
特に各地でよく見かけたのはスタバやKFC、マクドナルド、サーティワン、DUNKINドーナツなど。
ファストフードの店はとにかく色々な場所にあるので、もしローカルフードが口に合わなかった場合でも何とかなりそうです。
Ragheif & Kaif(リヤド):32リヤル
Kudu(アルウラ):30リヤル
スターバックス(メディナ)
スターバックス(メディナHHR駅)
スターバックス(メディナHHR駅)
スターバックス(アルウラ)
マクドナルド(メディナ)
Shami(ジェッダ):56リヤル
宿泊事情について
サウジアラビアにはゲストハウスのような形態の宿泊施設がほとんどありません。
そのため宿泊費は他の中東の国に比べて、少し高くつくと思っておきましょう。
リヤド・ジェッダ・ハイル
安いホテルから高級ホテルまで、幅広くさまざまなホテルがあります。
ただしリヤドやジェッダなどは街が広いため、ホテルの立地は十分に調べた上で予約しましょう。
基本的にはBooking.comやAgodaで調べれば掲載件数も十分なので、自分の予算やルートに合ったホテルが見つかると思います。
Dalin(リヤド)
Ewaa Express Hotels Olaya(リヤド)
Ewaa Express Hotels Olaya(リヤド)
Ewaa Express Hotels Olaya(リヤド)
アルウラ
アルウラにある宿泊施設の多くは、市内中心部から少し離れたところにある郊外のリゾートタイプです。
Bookig.comやAgodaなどで検索をかけても、ほとんどリゾートタイプの宿泊施設しかヒットしません。
そのためアルウラでの宿泊はどうしても高くついてしまいます。
とはいえ市内には、予約サイトに載っていないアパートメントタイプの宿泊施設もわずかですがあります。
Viola
Googleマップで「ホテル」と検索するといくつかヒットするので、そこからコンタクトを取って予約をすることも可能です。
メディナ
聖地メディナでの宿泊については、注意事項があります。
それは非ムスリムの観光客は市内中心部のホテルに宿泊できない場合があることです。
具体的には、上のマップのオレンジ色のラインで囲まれたエリア内(アルハラム地域)にあるホテルには宿泊できない場合があるということになります。
メディナはメッカに次ぐイスラム教の聖地であるため、そもそも数年前まで非ムスリムがメディナの街中に立ち入ることも禁じられていました。
それがここ2~3年の間に非ムスリムにも門戸が開かれたという経緯があるため、観光事情に関する情報はかなり流動的なのが現状です。
そのため色々な方の旅行記などを拝見すると、「アルハラム地域外のホテルに宿泊するしかなかった」「非ムスリムが宿泊できるホテルは限られている」といった情報が散見されたのです。
しかし私は今回このアルハラム地域内のホテルに宿泊することができました。
預言者のモスクまで徒歩圏内という立地ですが、チェックイン時に特に何も言われず普通に宿泊できたのです。
でもそれはアルハラム地域内のすべてのホテルが非ムスリムにも解禁されたのか、ホテルによって対応が分かれているのか不明です。
なのでメディナに泊まる際には、必ず事前に非ムスリムでも宿泊できるかホテルに確認しましょう。
観光について
サウジアラビア観光で多くの人が行くであろう場所は、大体この辺りかと思います。
【リヤド】
・キングダムタワー(Sky Bridge展望台)
・ディライーヤのツライフ地区(世界文化遺産)
・ディーラ広場
・マスマク城
・ヤマーマ宮殿
・国立博物館
【アルウラ】
・マダインサーレハ(世界文化遺産)
・エレファントロック
・アルウラの旧市街
【メディナ】
・預言者のモスク
・キブラタイン=モスク
・ウフドの戦場
・トレンチの戦場
・クバーモスク
【ジェッダ】
・ジェッダの旧市街(世界文化遺産)
・アルラハム=モスク
・ファハド王の噴水
詳しくは各都市ごとにまとめたので、以下そちらをご覧ください。
リヤド観光
【サウジアラビア旅行記】世界遺産ディライーヤの行き方・見どころ
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【サウジアラビア旅行】マスマク城でリヤドの歴史を学ぶ
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アルウラ観光
【サウジアラビア旅行記】マダインサーレハのツアー参加方法について【2024年2月】
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メディナ観光
【サウジアラビア旅行記】非ムスリムの日本人がメディナ観光してみて
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【サウジアラビア旅行記】city sightseeing Al Madinahでメディナの観光名所を巡ってみて
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ジェッダ観光
【サウジアラビア旅行記】ジェッダの観光名所を巡ってみた
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まとめ
サウジアラビアは近年ますます観光業に力を入れており、今後より観光しやすい国になっていくと思います。
例えば2024年2月現在、世界遺産ディライーヤの改装が行われたり、非ムスリム観光客に聖地メディナの門戸が開かれるなど、これまで行くのも見るのも難しかった場所が少しずつオープンになっています。
なのであとは開業が延びに延びているリヤドメトロが早くオープンしてくれるといいなと思います。
そうすれば空港から市内までのアクセスも格段に良くなるので…。
以上、サウジアラビア観光で押さえておきたい情報についてのまとめでした。